BLOGnauraa co. ltd.

メールマーケティングの成功事例と実践方法

メールマーケティングとは

メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、デジタルマーケティングの一環として、顧客リストに対してメールを送信し、商品やサービスの宣伝、購買促進、ブランドの認知度向上を図る手法です。
主にメール広告やメルマガ、ステップメールといった手段を通じて、企業が顧客との関係を深め、最終的にコンバージョンを得ることを目指します。

この方法は、見込み顧客に対して初期段階で興味を引き、徐々に購買へと導くことができるため、長期的なファンや顧客を育成するのに効果的です。
また、メールは個々の顧客の興味や行動に基づいて内容をカスタマイズできるため、効果的なコミュニケーションを図ることができます。

さらに、近年のメールマーケティングでは、送信のタイミングや配信リストのセグメント化が重要視されており、よりパーソナライズされたアプローチが可能となっています。
このため、他のデジタルチャネルと組み合わせることで、より大きなマーケティング効果が期待できます。

メールマーケティングの歴史

メールマーケティングの歴史は、1990年代後半に登場した「メール広告」から始まりました。
当時、メールは元々1対1のコミュニケーションツールとして使われていましたが、企業が大量の顧客に対して情報を一斉に送る「1(企業)対n(配信リスト)」の手段としてメールを活用し始めました。
これがメール広告の起源です。

その後、メール広告は「メールマガジン」へと進化し、企業が定期的に情報を発信する主要な手法として発展していきました。
2010年になると、WebサイトやECサイト、SNSを持つ企業が増加し、メルマガはWebサイトの更新通知やリアルとデジタルをつなぐ役割を果たすように変化しました。

一時期はSNSの台頭によりメールマーケティングが廃れたかに見えましたが、2015年頃からマーケティングオートメーション(MA)の効果測定が進み、その有効性が再認識されました。
現在では、1対1のコミュニケーションに近い形で、個別の顧客に合わせたパーソナライズされたメール配信ができるようになり、重要なマーケティング手法の一つとして確立しています。

現代における重要性

現代において、メールマーケティングが重要視される理由は、メールが依然として広く利用されていることにあります。

【令和5年度】[平日]インターネットの利用項目別の平均利用時間
参考:メールマーケティングとは?基礎知識やメリット、実施方法5ステップから成功事例まで解説

総務省の2024年の調査によると、SNSの利用が増加している中で、30代以上の働き世代では、メールの利用頻度がSNSに劣らず、特に40代以上ではメールの使用がSNSを上回っていることが示されています。

ビジネスの場面でも、社内でのコミュニケーションはチャットツールが普及していますが、社外のやり取りは依然としてメールが主流です。

このことから、働く世代にとって最も身近なツールであるメールを活用するメールマーケティングは、ターゲットに効果的にアプローチできる手段と言えます。
多くの見込み顧客にメールを通じて直接的に情報を届けることで、高い効果を期待できるのです。

さらに、メールは既に日常的に使用されているツールであるため、マーケティング施策を実施する側にとっても他のマーケティング手法に比べて実行のハードルが低く、特別な技術や準備を必要としません。
これらの要因が、メールマーケティングを現代においても有効かつ重要な手法として支えているのです。

メールマーケティングのメリットとデメリット

メールマーケティングにはさまざまな利点と課題があります。
ここでは、その具体的なメリットとデメリットを詳しく解説します。

メリット1低コストで始められる

メールマーケティングの最大の利点は、低コストで開始できる点です。
紙のダイレクトメールとは異なり、印刷費や配送費がかからないため、導入コストを大幅に削減できます。
必要なのは、配信システムや効果測定ツールにかかる費用のみで、数千円から利用可能なツールも存在します。
そのため、中小企業や個人事業主でも導入しやすいのが大きな魅力です。
1回の配信で数十万人にメッセージを送ることができるため、効率的なマーケティング手法となっています。

メリット2ターゲティングの柔軟性

次に挙げられるメリットは、ユーザーごとのカスタマイズが可能という点です。
メールの内容、配信タイミング、頻度などを、ユーザーの行動履歴や属性に応じて柔軟に変更できます。
例えば、商品ページを閲覧したユーザーにクーポンを送るなど、個別対応ができるため、顧客とのエンゲージメントを深めやすくなります。
また、企業やブランドのSNS、ウェブサイトへのリンクも挿入できるため、他のメディアとの相乗効果を期待できます。

メリット3効果測定が容易

メールマーケティングのもう一つの利点は、効果検証がしやすいことです。
メールの開封率、クリック率、コンバージョン率などのデータをリアルタイムで収集できるため、具体的な成果をすぐに確認できます。
このデータを元に、PDCAサイクルを迅速に回すことで、施策の精度を高めることができるため、結果を最大化しやすい手法です。

デメリット1長期的な運用が必要

一方、デメリットとして最初に挙げられるのが、中長期的な運用が求められる点です。
メールマーケティングは短期間で成果を出すのが難しく、特に「ナーチャリング(顧客育成)」では、顧客との関係を築くために定期的な配信が必要です。
継続的な接触と戦略的な内容作成が重要となるため、短期間で結果を求める施策とは異なり、時間と労力がかかる手法です。

デメリット2コンテンツ制作に手間がかかる

もう一つのデメリットは、コンテンツ制作に時間と手間がかかることです。
自動配信システムを導入しても、送信するメールの内容そのものは人力で作成しなければならないため、リソースが必要となります。
特に、コンテンツの質が低ければ購読解除のリスクが高まるため、魅力的で価値のある内容を提供し続けるためには、しっかりとしたコンテンツ制作体制が必要です。

メールマーケティングは、低コストで高い効果を得られる一方で、中長期的な視点とコンテンツ制作の工数が課題となります。
成功させるためには、計画的かつ持続的な運用が不可欠です。

メールマーケティングの種類

メールマーケティングの種類6つ
参考:【基礎知識】メールマーケティングとは?実践手順と成功ポイント

メールマーケティングにはいくつかの手法があり、それぞれ異なる目的やアプローチ方法を持っています。
ここでは、代表的なメールマーケティングの種類について説明します。

メール広告

メール広告は、メール内に広告を掲載する手法です。
メールマガジンのヘッダーやフッターに広告が挿入される場合もあれば、メール全体が広告として配信されることもあります。
ターゲットに直接アプローチできるのが特徴ですが、スパムメールとみなされるリスクがあるため、配信先や内容に注意が必要です。

メールマガジン

メールマガジン
参考:メールマーケティングの始め方4ステップ|追うべき成果指標を解説

メールマガジンは、会員登録しているユーザーに対して定期的に送信される情報提供メールです。
新製品やキャンペーンのお知らせなど、幅広いユーザーに向けて一斉に送信されるため、多くの人にリーチすることができます。
ただし、全ユーザーに同じ内容を配信するため、個別対応が難しく、エンゲージメント強化が主な目的となります。

ステップメール

ステップメール
参考:メールマーケティングの始め方4ステップ|追うべき成果指標を解説

ステップメールは、あらかじめ決められたタイミングで段階的にメールを自動送信する手法です。
たとえば、商品購入後のサンクスメールやその後のキャンペーン案内など、ユーザーの行動に応じて適切な内容を配信します。
これにより、リピート購入やコンバージョン率の向上を狙えます。

セグメントメール

セグメントメール
参考:メールマーケティングの始め方4ステップ|追うべき成果指標を解説

セグメントメールは、ユーザーを特定の属性や行動に基づいてグループ化し、それぞれのグループに対して適切な内容のメールを配信する手法です。
たとえば、年齢や購買履歴に応じて内容をカスタマイズすることで、ターゲット層に効果的にアプローチできます。
セグメント化により、メールの開封率やクリック率の向上が期待できます。

リターゲティングメール

リターゲティングメール

リターゲティングメールは、特定の行動をしたユーザーに対して再度アプローチを行う手法です。
たとえば、商品をカートに入れたが購入しなかったユーザーに、再度購入を促すメールを送信することが典型的な例です。
この手法は、既に興味を示したユーザーに対してフォローアップできるため、コンバージョン率の向上が期待できます。

休眠発掘メール

休眠発掘メールは、しばらくアクションのなかった休眠ユーザーに再び関心を持ってもらうためのメールです。
これまでのメールに反応がなかったユーザーに対して、通常とは異なる内容やインセンティブを提案し、再度アクションを促します。
うまく復帰させることができれば、その後のステップメールやセグメントメールでさらなる関係構築が期待できます。

メールマーケティングの実施方法

メールマーケティングを効果的に行うためには、明確な手順に従うことが重要です。
以下にご紹介するステップに沿って進めることで、効果的なマーケティング活動を展開できます。
手法によって使用するツールや細かなフローは異なることがありますが、基本的な流れはほとんど同じです。
ここでは、メールマーケティングの実施方法を詳しく説明します。

メールマーケティングの実施方法

1. 目標設定

まず、メールマーケティングの最終的な目標や解決したい課題を明確に設定します。
KGI(重要目標達成指標)やKPI(重要業績評価指標)を設定し、具体的な数値目標を定めることで、成果を測定しやすくなります。
例えば、メール経由での資料請求を増やす、商品の購入数を向上させるなどが挙げられます。

2. メールアドレス獲得とリスト作成

次に、メールを配信するためのリストを作成します。
アンケートや資料のダウンロード、名刺交換などを通じてユーザーのメールアドレスを集め、そのデータを基にリストを作成しましょう。
リストが大きくなるほど、ターゲティング精度が高まり、効果的なマーケティングを実現できます。

3. メール作成のポイント

メールを作成する際には、配信対象のユーザーを意識し、そのニーズに応じた内容を盛り込むことが重要です。
ペルソナやカスタマージャーニーを設定し、ユーザーが興味を持ちやすいコンテンツや情報を提供することで、ユーザーの育成につなげます。
また、件名やメールのレイアウトも工夫することで、開封率やクリック率の向上が期待できます。

4. 配信頻度とタイミング

メールの配信頻度やタイミングは、ユーザーの関心を引き続けるために重要なポイントです。
あまりにも頻繁な配信は逆効果になり得るため、適切なタイミングで配信することが求められます。
マーケティングオートメーションツールを活用することで、配信作業を効率化し、最適なタイミングでの配信を実現しましょう。

5. 効果測定と改善方法

メールを配信した後は、必ず効果測定を行いましょう。
到達率、開封率、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)などを基に、目標達成状況を分析します。
分析結果をもとに、件名や配信タイミング、コンテンツ内容の改善を行い、より効果的なメールマーケティングへと発展させていくことが重要です。

メールマーケティングの成果指標とは

メールマーケティングを効果的に運用するためには、成果指標(KPI)を設定することが重要です。
KPIを明確にすることで、施策の効果を測定し、必要に応じて改善を行うための基盤が整います。
以下は、メールマーケティングでよく用いられる代表的な成果指標です。

有効配信率

有効配信率は、送信したメールのうち、実際に受信者の受信ボックスに届いたメールの割合を示します。
この指標は、配信先のリストの質や、メールサーバーの健全性を評価するのに役立ちます。
高い有効配信率は、リストのクリーンさや送信ドメインの信頼性を示し、逆に低い場合は、スパムフィルターに引っかかっている可能性や、無効なメールアドレスが多いことを示しています。

開封率

開封率は、受信者がメールを開封した割合です。
この指標は、件名や送信タイミングの効果を測定するための重要な指標となります。
開封率が高い場合、受信者が興味を持っていることを示しており、効果的な件名や配信スケジュールの見直しが成功しているといえます。
逆に、開封率が低い場合は、件名や配信戦略を再評価し、改善を図る必要があります。

クリック率

クリック率は、メール本文内のリンクがクリックされた割合です。
この指標は、メールの内容やオファーがどれだけ受信者の関心を引きつけたかを示します。
高いクリック率は、メールコンテンツが魅力的であることを意味し、次のアクションへと繋がる可能性が高まります。
具体的には、クリック率を向上させるためには、魅力的な画像やテキスト、明確な行動を促すボタン(CTA)を設置することが重要です。

読了率

読了率は、メール内のリンクをクリックした後、遷移先のコンテンツが実際に読まれた割合を示す指標です。
これは、受信者が興味を持っている内容を把握するための重要な要素です。
読了率が高ければ、コンテンツが受信者にとって価値ある情報を提供できていることを示します。
これを改善するためには、コンテンツの質を高め、受信者にとって関連性のある情報を提供することが求められます。

CV(コンバージョン)率

CV率は、メール内のリンクをクリックした後に、受信者が指定された行動(例:購入、問い合わせ、会員登録など)を実行した割合です。
最終的なビジネス成果を測定するための指標であり、マーケティング施策の目標達成度を直接的に示します。
CV率を高めるためには、メールの内容が受信者のニーズに応じたものであり、クリアな行動を促すメッセージを含むことが重要です。

KPI設定の具体例

例えば、月に10件の受注を目指す場合、過去の配信データを参考にしてKPIを設定します。
以下は仮の数値を用いた計算例です。

有効配信率:70%
開封率:20%
クリック率:10%
CV率:1%

この場合、10件の受注を得るために必要な配信数を計算すると、次のようになります。

受注件数:10件
必要なCV数(受注を得るために必要な行動数):10件 / 1% = 1000件
必要なクリック数(1000件を得るためのクリック数):1000件 / 10% = 10,000件
必要な開封数(10,000件を得るための開封数):10,000件 / 20% = 50,000件
必要な配信数(50,000件を得るための配信数):50,000件 / 70% ≈ 71,429件

このように、各指標を使って必要な配信数を算出し、実際の施策に落とし込むことで、目標達成に向けた具体的な行動計画を立てることが可能です。

メールマーケティングの成功事例

では、実際に効果的なメールマーケティングを実施した企業を見ていきましょう。

顧客エンゲージメント向上例

大昭和紙工産業株式会社は、紙袋や紙加工品を製造する企業で、インバウンドマーケティングの課題を抱えていました。
そこでメールマーケティングを導入し、展示会の告知メールやお礼メール、さらにはキャンペーン案内やサービス紹介を含むメールマガジンの配信を開始しました。
この取り組みにより、メルマガの開封率は50%を超え、顧客からの問い合わせも増加するなど、顧客エンゲージメントが大幅に向上しました。

開封率向上の成功ポイント

株式会社JSHでは、「障がい者雇用支援」と「旅行・地方創生」に関連する事業を展開しており、営業施策の効果測定が行えていないという課題に直面していました。
そこで、リードに対するメール配信を開始したところ、メール経由での資料ダウンロード数が月に10~20件、セミナー申し込みが月に5~10件と、驚異の開封率50%超えという成功を収めました。

ツールの活用方法

マーケティング業務において、ツールの活用は作業の効率化や精度向上に大きく関係します。
特にMA(マーケティングオートメーション)ツールやメール配信ツールを導入することで、リードの管理や施策の実行が自動化され、マーケターの負担を軽減することができます。
また、データを一元管理することで、施策の全体像を把握しやすくなり、効果的な改善が可能となります。

MAツールとその導入効果

MAツールは、マーケティング活動を自動化し、収益向上に向けた施策をサポートするプラットフォームです。
メールマーケティング、リードのスコアリングや育成、キャンペーン管理、CRMとの連携など、マーケティング業務のあらゆる面で効率化を図ることができます。
さらに、Webサイトの訪問履歴やユーザー行動のデータを活用することで、リードの興味やニーズを把握し、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能となります。

導入によって、マーケティング施策の結果がリアルタイムで把握できるため、改善点を迅速に見つけ出し施策の最適化が行えることが大きな利点です。
例えば、リードの反応が悪い場合、その原因を迅速に分析、メール内容やターゲティングの調整を行うことで、コンバージョン率を向上させることができます。

メール配信ツールの選定基準

メール配信ツールを選定する際には、ツールの基本機能と運用のしやすさが重要なポイントです。
具体的には、以下のような機能を備えたツールが効果的です。

配信スケジュールの自動化 指定した日時にメールを自動的に送信できる機能。
計画的なメールマーケティングが可能になる
HTMLメールの作成機能 顧客の興味を引く視覚的に魅力的なメールを簡単に作成できる
効果測定機能 配信後の開封率、クリック率、コンバージョン率などをリアルタイムで把握できる機能。
施策の効果を定量的に分析でき、改善点を迅速に見つける。

まとめ

まとめ

メールマーケティングの成功を収めるためには、施策評価に関わる複数の指標を定期的に確認し、データに基づいた継続的な改善が不可欠です。
適切なKPI設定、成果指標の分析、戦略的な施策を効果的に実施することで、受信者のニーズを的確に捉え、より高い成果を達成するための道筋を築くことができるでしょう。
メールマーケティングは単なる情報発信ではなく、顧客との関係を深める重要な手段であることを再認識し、適切な指標を用いて取り組むことが成功への鍵です。

株式会社ナウラでは、SNS × PR × Webマーケティングを掛け合わせた戦略的なコンサルティングをご提案しております。

方向性のご確認やブランディングの構築など、お気軽にご相談くださいませ。

また、毎月5社限定でInstagramの無料診断を行っております。企業アカウント担当者様は、この機会にぜひご利用ください。